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そぶりをやめて
第9章 160日 〜その1〜

なるほど。
あのどれかなワケだ。
面白い形で、中がどうなっているのか、すごく気になる。
半円ドームのほうも気になるけど。
そうだこの景色を撮ろうと、スマホを取り出す。
画面を見ると、不在着信がめちゃ入っているし。
LINEも来ているようだ。
そういえば、昨晩のレストランでマナーモードすら響くとサイレントにしたままだった。
不在着信は、母親がほとんど。
たまに実家の電話。
昨日の夜と、今朝から、ついさっきぐらいまで。
「え、なんだろ。何かあった?」
こんなに着信が入ったことはない。
LINEを開くも、『急いで電話して』としか書いてない。
あとは、LINEも電話の着信だ。
「大丈夫?」
「分かんない。ちょっとかけるね」
コールしているが、なかなか出ない。
ひょっとして、誰かコロナになった、とか?
汐里が住むこの地域も、すこぶる田舎とはいえ、流石にコロナにかかる人達が増えてきた。
緊急事態まではいかないが、自主的に時短営業や、休業しているお店やレストランも増えてきたのだ。
ドキドキしながら待って、やっと母親が電話に出た。
「汐里〜」
「母さん?ちょっと、大丈夫?」
かなり弱ったような声、のような気がする。
隣に座る佳佑が、いつの間にか肩を抱き寄せてる。
でも、心強い。
「あんた聞いてた?お兄ちゃんの話!」
「はい?なーちゃん??」
汐里の兄、成道(なりみち)。
小さいころ、『なりみち』とは呼びにくくて『なーちゃん』と呼んでるのが、まだ直ってない。
昔から問題児で、大人になってからもネタには事欠かない。
結婚して3人も子どもいるのに、転職も数え切れない程してるし。
その度に各地を点々としてて。
呆れ果てた父親が5年ほど前に、『子ども達の為にも、地元に帰ってこい』と家まで建てて、やっと地元のホテルのレストランに就職して落ち着いてきたとこだ。
そろそろシビレを切らしても可笑しくはないし、驚きもしない。
「なーちゃんが、どーしたの?」
「仕事辞めて、お店始めるってゆーのよ!」
仕事辞めて、までは想定内だが。
お店はじめる??
「倫子さんからも、聞いてない?」
「聞いてないよ〜!」
倫子(みちこ)とは、成道の奥さんで、汐里と仲良くしている。
あのどれかなワケだ。
面白い形で、中がどうなっているのか、すごく気になる。
半円ドームのほうも気になるけど。
そうだこの景色を撮ろうと、スマホを取り出す。
画面を見ると、不在着信がめちゃ入っているし。
LINEも来ているようだ。
そういえば、昨晩のレストランでマナーモードすら響くとサイレントにしたままだった。
不在着信は、母親がほとんど。
たまに実家の電話。
昨日の夜と、今朝から、ついさっきぐらいまで。
「え、なんだろ。何かあった?」
こんなに着信が入ったことはない。
LINEを開くも、『急いで電話して』としか書いてない。
あとは、LINEも電話の着信だ。
「大丈夫?」
「分かんない。ちょっとかけるね」
コールしているが、なかなか出ない。
ひょっとして、誰かコロナになった、とか?
汐里が住むこの地域も、すこぶる田舎とはいえ、流石にコロナにかかる人達が増えてきた。
緊急事態まではいかないが、自主的に時短営業や、休業しているお店やレストランも増えてきたのだ。
ドキドキしながら待って、やっと母親が電話に出た。
「汐里〜」
「母さん?ちょっと、大丈夫?」
かなり弱ったような声、のような気がする。
隣に座る佳佑が、いつの間にか肩を抱き寄せてる。
でも、心強い。
「あんた聞いてた?お兄ちゃんの話!」
「はい?なーちゃん??」
汐里の兄、成道(なりみち)。
小さいころ、『なりみち』とは呼びにくくて『なーちゃん』と呼んでるのが、まだ直ってない。
昔から問題児で、大人になってからもネタには事欠かない。
結婚して3人も子どもいるのに、転職も数え切れない程してるし。
その度に各地を点々としてて。
呆れ果てた父親が5年ほど前に、『子ども達の為にも、地元に帰ってこい』と家まで建てて、やっと地元のホテルのレストランに就職して落ち着いてきたとこだ。
そろそろシビレを切らしても可笑しくはないし、驚きもしない。
「なーちゃんが、どーしたの?」
「仕事辞めて、お店始めるってゆーのよ!」
仕事辞めて、までは想定内だが。
お店はじめる??
「倫子さんからも、聞いてない?」
「聞いてないよ〜!」
倫子(みちこ)とは、成道の奥さんで、汐里と仲良くしている。

