この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そぶりをやめて
第9章 160日 〜その1〜
佳佑の体に腕を伸ばして、2人抱きしめ合う。
「大丈夫、俺がいる」
弱ってるのかな。
いつもなら、そんな台詞、嘘くさくて、ダサくって、引いてた。
だけど、今は凄い沁みてくる。
味方でいてくれるカンジがして、ほっとする。
兄嫁の倫子ちゃんとは、仲良くさせてもらってると思ってた。
兄と違って、学があって、凄い頭のいい人で、上手く手綱を引いてくれている。
子どもたちの教育にも力を入れていて。
敷地内同居してからは、汐里も手伝って、おいっこたちとも仲良くしていた。
その倫子ちゃんから、報告も相談も無かった。
佳佑の大きな手が、抱きしめたまま頭を撫でている。
「新婚だから遠慮したんだろ」
「...そうかな」
確かに今日のこの旅行の事は、1ヶ月ぐらい前から皆に言いまくってた。
はしゃいでたから、言いにくかったのかも。
「電話してみようかな」
「うん。いいと思う」
そう言いながらも、佳佑の腕の力が弱まる気配がない。
「?ちょっと。離して」
我に返ると、川沿いの日影とはいえ、抱き合ったままは暑い。
「えー。たなっちが、こんな甘えてくれんの珍しいからさぁ。しかも、外で」
そう言われると、外でこんな抱きついたりとか、ありえない。
「噛み締めてた」
ほんと、時々恥ずかしい程のことを言ってくるのは、何?
嫌がらせ?
「ちゅーもしとく?」
「!」
からかって!
「しませんー」
「えー。さっきあんなにシてくれてたのに」
!?
「お風呂んトコで。あれは、エロかった...」
「もう!!」
腕の力が緩まっていた佳佑を、軽く突き飛ばす。
想定内なのか、佳佑は嬉しそうにしてる。
気を取り直し、ベンチに座り直しで、カバンに突っ込んだスマホを探す。
「...思ったんだけどさ」
「なに?」
服の裾を遠慮がちに、ちょいちょいと引っ張る佳佑を払い除ける。
「ヒデぇ...。思ったんだけど、汐里もそのお店で働いたら?」
そのお店?ってどのお店??
「そうだよ。いいんじゃね?」
言った本人が、やたらと納得している。
「そのお義兄さんのお店、汐里も手伝ってみたら?」
言いたい意味をやっと理解した。
「...手、足りてるんじゃ」
「聞くだけでも聞いてみなよ〜。カフェするなら、結構人手がいると思うよ」
「大丈夫、俺がいる」
弱ってるのかな。
いつもなら、そんな台詞、嘘くさくて、ダサくって、引いてた。
だけど、今は凄い沁みてくる。
味方でいてくれるカンジがして、ほっとする。
兄嫁の倫子ちゃんとは、仲良くさせてもらってると思ってた。
兄と違って、学があって、凄い頭のいい人で、上手く手綱を引いてくれている。
子どもたちの教育にも力を入れていて。
敷地内同居してからは、汐里も手伝って、おいっこたちとも仲良くしていた。
その倫子ちゃんから、報告も相談も無かった。
佳佑の大きな手が、抱きしめたまま頭を撫でている。
「新婚だから遠慮したんだろ」
「...そうかな」
確かに今日のこの旅行の事は、1ヶ月ぐらい前から皆に言いまくってた。
はしゃいでたから、言いにくかったのかも。
「電話してみようかな」
「うん。いいと思う」
そう言いながらも、佳佑の腕の力が弱まる気配がない。
「?ちょっと。離して」
我に返ると、川沿いの日影とはいえ、抱き合ったままは暑い。
「えー。たなっちが、こんな甘えてくれんの珍しいからさぁ。しかも、外で」
そう言われると、外でこんな抱きついたりとか、ありえない。
「噛み締めてた」
ほんと、時々恥ずかしい程のことを言ってくるのは、何?
嫌がらせ?
「ちゅーもしとく?」
「!」
からかって!
「しませんー」
「えー。さっきあんなにシてくれてたのに」
!?
「お風呂んトコで。あれは、エロかった...」
「もう!!」
腕の力が緩まっていた佳佑を、軽く突き飛ばす。
想定内なのか、佳佑は嬉しそうにしてる。
気を取り直し、ベンチに座り直しで、カバンに突っ込んだスマホを探す。
「...思ったんだけどさ」
「なに?」
服の裾を遠慮がちに、ちょいちょいと引っ張る佳佑を払い除ける。
「ヒデぇ...。思ったんだけど、汐里もそのお店で働いたら?」
そのお店?ってどのお店??
「そうだよ。いいんじゃね?」
言った本人が、やたらと納得している。
「そのお義兄さんのお店、汐里も手伝ってみたら?」
言いたい意味をやっと理解した。
「...手、足りてるんじゃ」
「聞くだけでも聞いてみなよ〜。カフェするなら、結構人手がいると思うよ」