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そぶりをやめて
第10章 160日 〜その2〜
面と向かっては言えなかったかも。
顔が見えないから、なんとか言えた。
「...うん。俺も大好き」
じんわりと受け取った佳佑が、喜びを噛み締めるように抱きしめてきた。
ああ、この人は、本当に私の事が好きなんだ。
と、今更ながらに実感する。
こそばゆいけど、妙に安心もするし、顔が赤くなってる気もする。
なんと表現していいものやら。
たぶん。
たぶんだけど。
結婚した当初よりかは、確実に汐里も好きにはなってる。
そんな言葉にするほど、ハッキリじゃないし。
もちろん、佳佑ほどではないし。
今、この雰囲気に流されてるだけかもだし。
人としては、好きだけど。
それが、恋とか愛とかではない気もするし。
いつか、そうなる日が来るのかな。
そうだといいけど。
しかし。
今まで佳佑が発していた愛の言葉は、シタゴコロからの芝居ではなく、本当にそう思っていたということになる。
「じゃあ、ここんとこの毎朝の、あれも...」
佳佑が出社する頃に、汐里が起きるルーティンなのだが。
寝ぼけまなこの汐里を一瞬抱きしめて、ほっぺやおでこにキスして家を出る。
あのふざけて、からかっているように見えた、あれも。
「うん。本当は、ここにキスして出掛けたい」
体が少しだけ緩まって、確認するように汐里の唇に佳佑のがほのかに触れる。
熱を帯びた吐息が頬をかすめて、角度を変えて今度は少しだけねっとりと重なる。
「汐里...」
「...うん」
おでこがぶつかる距離で、佳佑の揺れる感情を目の当たりにする。
「シたいんだけど」
若干苦しそうにそう零して、汐里の反応を窺っている。
「...ん。いいよ」
佳佑とのセックスは嫌じゃない。
ただ、この1ヶ月や、特にこのキャンプ場に来てからの頻度が、気になっていただけ。
言葉と共に、汐里から唇を重ねる。
汐里に拒否られると思っていたのか、少し驚いて。
確認するように何度か触れた後、深く舌を絡めてゆく。
横向きに抱き合っていたのが、佳佑が覆いかぶさってくる。
息が上がって、貪るようなキスを繰り返す。
「...あんま、んっ、激しく、...シないでっ」
テントに遮音性が全く無さそうで、それも気になる。
「っ...んなの、ムリなんだけど」
顔が見えないから、なんとか言えた。
「...うん。俺も大好き」
じんわりと受け取った佳佑が、喜びを噛み締めるように抱きしめてきた。
ああ、この人は、本当に私の事が好きなんだ。
と、今更ながらに実感する。
こそばゆいけど、妙に安心もするし、顔が赤くなってる気もする。
なんと表現していいものやら。
たぶん。
たぶんだけど。
結婚した当初よりかは、確実に汐里も好きにはなってる。
そんな言葉にするほど、ハッキリじゃないし。
もちろん、佳佑ほどではないし。
今、この雰囲気に流されてるだけかもだし。
人としては、好きだけど。
それが、恋とか愛とかではない気もするし。
いつか、そうなる日が来るのかな。
そうだといいけど。
しかし。
今まで佳佑が発していた愛の言葉は、シタゴコロからの芝居ではなく、本当にそう思っていたということになる。
「じゃあ、ここんとこの毎朝の、あれも...」
佳佑が出社する頃に、汐里が起きるルーティンなのだが。
寝ぼけまなこの汐里を一瞬抱きしめて、ほっぺやおでこにキスして家を出る。
あのふざけて、からかっているように見えた、あれも。
「うん。本当は、ここにキスして出掛けたい」
体が少しだけ緩まって、確認するように汐里の唇に佳佑のがほのかに触れる。
熱を帯びた吐息が頬をかすめて、角度を変えて今度は少しだけねっとりと重なる。
「汐里...」
「...うん」
おでこがぶつかる距離で、佳佑の揺れる感情を目の当たりにする。
「シたいんだけど」
若干苦しそうにそう零して、汐里の反応を窺っている。
「...ん。いいよ」
佳佑とのセックスは嫌じゃない。
ただ、この1ヶ月や、特にこのキャンプ場に来てからの頻度が、気になっていただけ。
言葉と共に、汐里から唇を重ねる。
汐里に拒否られると思っていたのか、少し驚いて。
確認するように何度か触れた後、深く舌を絡めてゆく。
横向きに抱き合っていたのが、佳佑が覆いかぶさってくる。
息が上がって、貪るようなキスを繰り返す。
「...あんま、んっ、激しく、...シないでっ」
テントに遮音性が全く無さそうで、それも気になる。
「っ...んなの、ムリなんだけど」