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夫人は貢ぎもの
第5章 酒池肉林

「そう怯えるな…」
香奈惠は会長の真の姿を知ってるだけに体を小さくして震えた。
「なにも取って食おうというわけではない」
だが、と一言のあと「儂には歯向かうな!!」と
70過ぎの老人とは思えぬほどの力で香奈惠の腹を蹴り上げた。
「ぐぅぅぅぅ!!」
腹を押さえながらうめくような声で「すいませんでした」と非をわびた。
「場末のキャバクラからお前を引き抜き、
儂の傍に置いて贅沢させてもらっていることを忘れるな」
会長の言葉に香奈惠は何度も何度も肯いた。
「まあ、わかればいいんじゃ」
会長はテーブルのコップを手繰り寄せて黒木にワインを注げと命じた。
「何年物にしましょうか?」
ワインセラーを品定めしながら黒木が問うと
「何年でも構わん、この女に飲ませてやるんじゃから…しっかりとビタミン剤も混ぜてやれ」と命じた。
「例の…ですか?」
命じられた黒木はアタッシュケースから小瓶を取り出し、
その液体もワインと一緒にコップに注いだ。
「何それ?変な薬なんだろ?
あたいを殺(や)るつもりなのかい?」
厚化粧の上からでも香奈惠の表情が真っ青になったのがわかった。
「心配すんな、ただのビタミン剤だ。
ほら、飲みな」
嫌がる香奈惠の口を無理やり開かせて薬の混入したワインを喉に流し込んだ。
香奈惠は会長の真の姿を知ってるだけに体を小さくして震えた。
「なにも取って食おうというわけではない」
だが、と一言のあと「儂には歯向かうな!!」と
70過ぎの老人とは思えぬほどの力で香奈惠の腹を蹴り上げた。
「ぐぅぅぅぅ!!」
腹を押さえながらうめくような声で「すいませんでした」と非をわびた。
「場末のキャバクラからお前を引き抜き、
儂の傍に置いて贅沢させてもらっていることを忘れるな」
会長の言葉に香奈惠は何度も何度も肯いた。
「まあ、わかればいいんじゃ」
会長はテーブルのコップを手繰り寄せて黒木にワインを注げと命じた。
「何年物にしましょうか?」
ワインセラーを品定めしながら黒木が問うと
「何年でも構わん、この女に飲ませてやるんじゃから…しっかりとビタミン剤も混ぜてやれ」と命じた。
「例の…ですか?」
命じられた黒木はアタッシュケースから小瓶を取り出し、
その液体もワインと一緒にコップに注いだ。
「何それ?変な薬なんだろ?
あたいを殺(や)るつもりなのかい?」
厚化粧の上からでも香奈惠の表情が真っ青になったのがわかった。
「心配すんな、ただのビタミン剤だ。
ほら、飲みな」
嫌がる香奈惠の口を無理やり開かせて薬の混入したワインを喉に流し込んだ。

