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バツイチと言わせない
第6章 歪んだ愛情
海鼠(なまこ)だと思えばいい。
勃起して硬くなったらソーセージだと思えばいい。
短時間で済むんだ。

ほんのちょっと我慢すればいいんだ。
恐る恐る舌をペニスに這わす。

「おおうッ!!」

蒼太が歓喜の声を上げる。
頼むから勃起しても
昨日の自分のように頭をホールドして腰を振ることだけはしないでほしいと心の中で祈った。

ペニスの強度が増していく。
それとともに太さも増して
口の中がペニスで満たされていく。

「もっと、もっと舐めて!」

蒼太の口調が軟らかくなっていく。
思い切って目を開いて蒼太の顔を見上げると
恍惚の表情を浮かべ
半開きの口元からは涎が垂れはじめていた。

康介は慌てて目を閉じた。
時間差でポトリと涎が康介の顔面を襲った。

「口でしっかりと扱いついてくれよ」

このままだといつ頭をホールドされるかわからなかったので
康介はええいもうどうにでもなれとばかりに
頭を振りながら舌で蒼太のペニスを舐めまくった。

「あっ…あっ…たまんない…」

早くイってしまえ!
あごの疲れも気にせず
康介は一心不乱に頭を振った。

もう間もなくは射精するだろうかと思ったとき、
ドアが開き、
麦茶とお茶菓子をお盆に載せた蒼太の母が現れた。

「あんた達!何やってんの?!」

お盆を落としたので麦茶とお茶菓子が床に散乱した。
蒼太は慌てて康介からペニスを引き抜くと

「黙って入ってくるなといつも言ってるだろ!」

母親に罵声を浴びせ
ズボンだけを身に着けると
脱兎のごとく家を飛び出した。

美穂子は蒼太を追いかける事もできずに立ち尽くしていた。

「どちらからなの?」

やがて美穂子はポツリと言った。

「どちらから関係を求めたの?」

言うまでもなく蒼太先輩が求めてきたのだが、
正直に告げるべきかどうか康介は悩んだ。

後で蒼太から『よくもチクったな』と逆恨みされて希美子との関係を洗いざらいぶちまけられても困る…

答えに窮して黙っていると、
美穂子は「なぜそんな事をするの!」と康介を罵倒した。

「男同士で戯れなきゃいけないほどセックスしたくて堪らないの?」

もうこうなりゃ何を言われても黙秘だ…
ひたすら貝になろうと心に決めた。
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