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バツイチと言わせない
第6章 歪んだ愛情
「康ちゃんは男が好きなの?」

とんでもない。自分は女が好きなノーマルなのだ。その意思表示に頸が千切れるほど横に振った。

「若いからかな…
性欲の捌け口に男同士というのは
おばさんは感心しないな」

その言葉をあなたの息子さんにかけてあげて下さい。
康介は心の中でそう叫んだ。

「女の子が好きなのに
どうして蒼太の…アレを…口に…入れてたの?」

美穂子は言葉を選ぶためか
一語一句を区切って話しかけた。

「違うんです…」

「えっ?」

まるで蚊の羽音のような小さい声で
康介は弁明した。

「言いたい事があるならはっきり言いなさい。
おばさんは決して悪いようにはしないから」

『おばさん!先輩はゲイなんです!!』

喉元までその言葉が出そうになったが
かろうじて飲み込んだ。

「康ちゃん、あんた…もしかしてゲイなの?」

はあ?どうしてそうなるんだ?

「恥ずかしい事じゃないわ。
恋愛対象は人それぞれだから…
でも…うちの蒼太だけは勘弁してちょうだい。
ねっ!お願いだから」

勘弁してほしいのはこっちだ。
もう話がぐちゃぐちゃじゃないか!

「男より女の方が何十倍も何百倍も素敵なのよ」

そうやって康介を諭してるうちに
美穂子の目が妖しくなってきた。

「康ちゃん…あんた童貞でしょう?」

正しい問いかけにはちゃんと意思表示することが出来たので『うん』と首を縦に振った。

「いいわ…おばさんが女ってどんなに素敵か康ちゃんに教えてあげる…
ううん、大丈夫、おばさんに任せておけばいいんだから」

そう言いながら立ち上がると
スカートのホックを外した。
ストンとスカートが床に落ちた。

『えっ?な、何?』

康介は訳がわからずに
美穂子の顔とその下半身を交互に見つめた。
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