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バツイチと言わせない
第6章 歪んだ愛情
「ちょっと待って。
康ちゃんは赤坂さんが好きなの?」

コクリと静かに肯いた。

「そっか~、そうなんだ…」

美穂子にしてみれば
思春期の男の子に訪れる年上の女性に憧れる熱病なものだと思った。

「でも、康ちゃんはまだ高校生じゃない。
年上の女性に憧れるのもいいけど
きっと同じ高校生の素敵な彼女が現れるわよ」

「僕たちは愛し合ってるんです!」

ああ…言ってしまった…
二人だけの秘密の恋なのに…
でも心のどこかに二人の恋愛を
誰かに話したかったのかもしれない。

二人は愛しあっているのだと宣言したら
堰を切ったように
康介は洗いざらい美穂子にうち明けた。

キスをしたこと、
フェラをしてもらったこと、
愛撫しあったこと、

そして…その事を蒼太に見られて
黙っている代償にアヌスを犯されたこと、
フェラを強要されたこと。

話しながら康介はしゃくり上げて泣いていた。

「待って!待って!
それじゃあ、うちの蒼太が…
ゲイだって事?」

美穂子は体中が震えだした。
まさかそんな…
蒼太が同性愛者だなんて…


その頃蒼太は
市内を流れる川の土手で途方に暮れていた。

上半身裸で
ズボンだけを穿いて家を飛び出したので
財布も持ちあわせておらず
自販機でコーヒーも買えずに困り果てていた。

裸の上半身に真夏の太陽が照りつけ、
日焼けしてしまい肩がかなり赤くなっていた。

さて、どうしたものか…

ぐうゥ~と腹の虫が鳴った。

考えれば昼飯さえまだ食っていなかったことに気づいた。

「まあ、見られちまったからには仕方ねえ…
母さんには正直に話すか…」

立ち上がり尻の汚れをパンパンと勢いよく叩くと
口笛を吹きながら家路についた。
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