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彼女のお母さん
第2章 母の秘め事
「あら?雄一くん?」
美登里は結婚して部屋を出て行く前に、
瑠璃子とお付き合いをしていると
挨拶をしただけの雄一の名前と顔を覚えていた。
『お、覚えてくれていた…』
雄一は有頂天になった。
まるでそれはアイドルの握手会で
一度だけ挨拶した程度のファンを
アイドルが覚えてくれていたという
喜びにも似ていた。
「雄一くん、どうしたの?こんなところで…」
瑠璃子の部屋ならもっと下のフロアよ、
そんな意味合いを込めて美登里は雄一に尋ねた。
「あ…いえ…
ちょっとボーッとしてたら乗り越してしまって…」
雄一は慌てて取り繕った。
まさか、貴女に会いに来たのだとは
口が裂けても言えなかった。
「そう、でもちょうど良かったわ、
手伝ってくれる?」
有無を言わさない態度で
美登里は雄一を部屋に招き入れた。
『部屋番号は…803…』
雄一はチラッと
ドアに掲げられているプレートに目をやって
心のメモにしっかりと部屋番号を覚え込ませた。
「主人がね…
テレワークで最近はずっと家にいたんだけど、
何だか書類にハンコを押さなきゃいけないと
出勤しちゃったのよ…
退屈だし、一緒にお茶しない?」
そう言いながら美登里は
コンビニでケーキを買ってきたのよと
レジ袋を雄一の目の前に突き出した。
美登里は結婚して部屋を出て行く前に、
瑠璃子とお付き合いをしていると
挨拶をしただけの雄一の名前と顔を覚えていた。
『お、覚えてくれていた…』
雄一は有頂天になった。
まるでそれはアイドルの握手会で
一度だけ挨拶した程度のファンを
アイドルが覚えてくれていたという
喜びにも似ていた。
「雄一くん、どうしたの?こんなところで…」
瑠璃子の部屋ならもっと下のフロアよ、
そんな意味合いを込めて美登里は雄一に尋ねた。
「あ…いえ…
ちょっとボーッとしてたら乗り越してしまって…」
雄一は慌てて取り繕った。
まさか、貴女に会いに来たのだとは
口が裂けても言えなかった。
「そう、でもちょうど良かったわ、
手伝ってくれる?」
有無を言わさない態度で
美登里は雄一を部屋に招き入れた。
『部屋番号は…803…』
雄一はチラッと
ドアに掲げられているプレートに目をやって
心のメモにしっかりと部屋番号を覚え込ませた。
「主人がね…
テレワークで最近はずっと家にいたんだけど、
何だか書類にハンコを押さなきゃいけないと
出勤しちゃったのよ…
退屈だし、一緒にお茶しない?」
そう言いながら美登里は
コンビニでケーキを買ってきたのよと
レジ袋を雄一の目の前に突き出した。