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彼女のお母さん
第6章 男と女の騙し合い
「雄一、あんた何してんの?」

怪訝そうに尋ねる瑠璃子に

「何してんのじゃないわよ。
あんたに会いに来たけど留守だから
ドアの前でボーッとしてたから
家に遊びに来なさいなとお迎えしたのよ」

ドアの前でボーッと?

昭和の時代じゃあるまいし
スマホで連絡してくれればすむことじゃないと
怪訝に思いながらも瑠璃子は受け流した。


「せっかく4人が集まったんですもの
みんなで夕飯を一緒にしましょ」

手伝ってねと
美登里は瑠璃子をキッチンに手招いた。

所在なさげにボーッと突っ立ている雄一を
宗像がソファに座るように薦めた。

「あ…じゃあ、お邪魔します」


雄一が対面に座るや否や宗像は身を乗り出して
小声で雄一に耳打ちした。

「君…妻を抱いたね?」

「えっ?…」

ズバリ言い当てられたので雄一は絶句した。
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