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揉ませていただきます
第12章 女性編 告白
「正直に話すべきかな…」
幸雄さんは意を決したように
ぽつりぽつりと話はじめた。
「間違ってたらすまん。
静子さんのお母さんの名前は静代って言うんじゃないかい?」
「えっ?どうして母の名前を?」
「やっぱりそうかい…
生き写しのようだから
間違いないと確信してたけどさ」
幸雄さんは母のことを知っている?
心臓がドキドキし始めた。
「俺はこの通り板前の派遣社員でね…」
えっ?流れ板って派遣社員なの?
てっきり渡世人かと…
「渡世人?はははっ。
今どき任侠映画でもあるまいに」
笑うと腰に響くのかアイテテ…と
幸雄さんは顔をしかめた。
「それで?」
話の続きが聞きたくて静子は急かした。
「あれは、佐渡のとある旅館に派遣された時のことだった…
仕事が終わった深夜でも開いているスナックがあってね…
静代さんはそこのホステスとして働いていた。
彼女とは気が合ってね…」
「それで母を奪って島を出たんですか?」
フツフツと怒りがこみ上げてきた。
幸雄さんが
我が家をめちゃくちゃにした男だったなんて…
このまま鍼を
体の奥深くまで打ち込んでやろうかと思った。