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揉ませていただきます
第12章 女性編 告白
「ある日、風の便りで
家に残してきた離婚届が提出されたと聞いた…
じゃあ、半年後に入籍しようと
俺は静代さんと暮らし始めた。
そして、静代さんと
初めて結ばれようとしたある夜
…俺は静代さんの胸を揉んで異変に気付いた…
左胸にしこりが…」
話ながら思い出したのか幸雄さんは泣いていた。
「次の日、病院で診てもらったら
即入院って事だった。
乳がんだとさ…
ようやく二人で幸せを築こうとした矢先に…」
「で…母は?母はどうなったのですか?」
「入院してひと月…あっという間に旅立ったよ…」
ここまで話すと幸雄さんは嗚咽を洩らしていた。
静子は鍼を打つのも忘れて聞き入っていた。
母がそんな人生を送っていたなんて…
「俺は、この職場に来て
あなたを初めて見たときから
静代さんの忘れ形見に違いないと確信してたよ。
君は静代さんの生き写しなのだから」
「じゃあ、私に優しくしてくれたのも
私に母の面影を見て…」
「最初はね…
でも、あなたはあなた。静代さんは静代さんだ。
あなたの裸体に触れたのも
決して静代さんの代役ではない。
マジメにあなたのことが
好きになってしまったんだよ…」
こんなオヤジが何言ってんだか…
ははは…と虚しく笑って枕に顔を埋めた。