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揉ませていただきます
第10章 女性編 清掃係の由美子さん

「逆に教えて欲しいんですけど…
由美子さんはその…
女として寂しくなることってないですか?」

そう尋ねると

「そっか~、男関係ってわけね」と
納得したように由美子さんは肯いた。

「え?いえ、そんな…
私、男関係だなんて一言も…」

「隠さなくてもいいのよ~。
女が寂しくなるって言ったら
男関係に決まってるじゃない」

熟女の洞察力の鋭さに驚かされてしまう。


「そりゃあ、私だって女ですから
寂しくなる時はあるわよ
なんて言うかさ~、
体の芯からムラムラしちゃうというか…」

由美子さんは「私だって女」と強調して
話してくれました。

見た目はかなりボーイッシュな姐御タイプなので
男とは縁もゆかりもないと周りから思われていた。


「私ってさあ、見た目がこんな感じだから
浮いた話のひとつもないと思われがちだけど、
こう見えても一度結婚もしてるのよ」

アルコールが廻ってきたのか
由美子さんは饒舌になって一人勝手に話し始めた。


同じ旅館に働いていても
ほとんど接点がなかったので
こうして身の上話を聞かせてもらうのは新鮮だった。 

「どうして離婚しちゃったんですか?」

「聞きたい?」

意味深にウフフと微笑むと、
二缶目のビールのプルを引き上げ、
また一気にグビグビと半分ほど呑んだ。

「元旦那は生真面目というか…
もともと淡白だったのか
アッチが弱くてね…
私が欲しがりすぎたんじゃないわよ、
私はいたってスタンダードな性欲だと思うわ」

「性の不一致って奴ですか?」

女性週刊誌で少しばかり読んだことがあったので
普段使うことのない「性の不一致」という言葉を口に出した。



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