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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第3章  “children”
「えっ!いいなぁ!会ってお話して、私も話せるようになりたい!

 お話しできるようになったら、きっとその子たちと仲良くなれるよね!」

サオリがぱぁっとした笑顔になり、大きな声で嬉しそうにそう言った瞬間

ガタン!と座っていた椅子を蹴倒す勢いで“J”が立ち上がる。

「彼女は!私たちが目指す組織の在り方の本質を!

 ......理解し、それを望んでおられるではないか!」

興奮気味でそうのたまう。

先程までの冷静沈着な態度はどこに行った?言葉の語気全く違うぞ?
 

「父さん。」

椅子の背もたれに体を預け額に手をあて、目をつぶっている父に声をかける。

「………あぁ、分かっては……いるんだ………でも」

固くつぶった目から涙がこぼれる。

バーベキューがじゅうじゅうと焼け、

滴り落ちる油が炭に落ち焼ける音だけが辺りを覆う。

「…………失礼致しました。つい。」

コホンと咳ばらいをし、

キチッと固められた髪が少し乱れたのを直し一礼するJ。

「お気持ちは、分かります。

 ですが、もう少しお時間をかけて考えていただけませんか。」

そう言い、深々と頭を下げる。

「本人と父と。私たちでもう少しじっくり考えてお返事を差し上げます。」

直人がJにそう言うと、Jは本日はこれで失礼致しますと帰っていく。


「ねぇ!このコーンはもう食べられる?」

その後姿を追うように、サオリの呑気な声が上がった。
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