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TRUE COLORS ~PURPLE~
第9章 Lily of the valley
ここASAHINAの本店は
1Fがレディースとメンズのカジュアルファッションが置かれており、
2Fにはレディースフォーマル。
3Fにメンズフォーマル。
4Fに宝飾、小物や香水。このフロアのデザイナーたちのオフィス。
5Fに商談などの応接や1,2,3Fのデザイナーたちのオフィスと
パタンナーや他スタッフのオフィス兼作業場。
会議室にシャワールームと仮眠室。そして俺のオフィスと社長のオフィス。
どのフロアも広く、ゆとりをもたせており非日常感と無駄な空間を演出している。
来店されたお客様に、贅沢なひと時を味わって頂くために。
3年前に都心にあったオフィスと本店を少し都心部から離れたこの地に移転した。
一応、自社ビル。
2Fと3Fのフォーマル部門は全てオーダー制。
都心部よりは高級住宅街に近く、
住民の年齢層もまんべんなくあり交通の便もよい
この地がいいだろうと移転したのだ。
都心部はテナントの家賃が高い。
こちらに移ってから自宅が以前よりうんと近くなったし。渋滞も少ない。
近くに大きな公園もあり緑豊かで、ちょっと歩けば飲食店も豊富にある。
都会の喧騒とは違う穏やかな生活音もいい。
事実、本店の売り上げは都心部にあった時より格段に上がった。
スタッフたちのモチベーションも上がったように思う。
オフィス街にある支店たちの売り上げも上がっている。
当然だな。本店との客の取り合いがなくなったんだし。
「コーヒーを零されたんですね。」
メンズフォーマルのスタッフに含み笑いをされる。
「ああ、やってしまった。新作のシャツあっただろ?あれをくれ。」
カードを出しながらそう言う。
スタッフはカードを受け取り、シャツを取りに戻っていく。
「桜井副社長。」
背後から、声を掛けられる。
ゆるりと丁寧なお辞儀をする彼はこのフロア責任者の島津だ。
70近い彼は白髪をキレイに撫で付けて整えており、丸目の銀縁眼鏡。
口元には白い髭が上品に揃えられてたくわえられている。
そして最年長であり取締役のひとりでもある。
彼の落ち着いた立振る舞いは、このメンズフォーマル部門にふさわしい。
実際彼の家柄はかの有名な武将の流れを汲んでいる。
彼の立ち振る舞いの良さはそこから来ているのかも知れない。
そして、彼は伝説のテーラーだった。
1Fがレディースとメンズのカジュアルファッションが置かれており、
2Fにはレディースフォーマル。
3Fにメンズフォーマル。
4Fに宝飾、小物や香水。このフロアのデザイナーたちのオフィス。
5Fに商談などの応接や1,2,3Fのデザイナーたちのオフィスと
パタンナーや他スタッフのオフィス兼作業場。
会議室にシャワールームと仮眠室。そして俺のオフィスと社長のオフィス。
どのフロアも広く、ゆとりをもたせており非日常感と無駄な空間を演出している。
来店されたお客様に、贅沢なひと時を味わって頂くために。
3年前に都心にあったオフィスと本店を少し都心部から離れたこの地に移転した。
一応、自社ビル。
2Fと3Fのフォーマル部門は全てオーダー制。
都心部よりは高級住宅街に近く、
住民の年齢層もまんべんなくあり交通の便もよい
この地がいいだろうと移転したのだ。
都心部はテナントの家賃が高い。
こちらに移ってから自宅が以前よりうんと近くなったし。渋滞も少ない。
近くに大きな公園もあり緑豊かで、ちょっと歩けば飲食店も豊富にある。
都会の喧騒とは違う穏やかな生活音もいい。
事実、本店の売り上げは都心部にあった時より格段に上がった。
スタッフたちのモチベーションも上がったように思う。
オフィス街にある支店たちの売り上げも上がっている。
当然だな。本店との客の取り合いがなくなったんだし。
「コーヒーを零されたんですね。」
メンズフォーマルのスタッフに含み笑いをされる。
「ああ、やってしまった。新作のシャツあっただろ?あれをくれ。」
カードを出しながらそう言う。
スタッフはカードを受け取り、シャツを取りに戻っていく。
「桜井副社長。」
背後から、声を掛けられる。
ゆるりと丁寧なお辞儀をする彼はこのフロア責任者の島津だ。
70近い彼は白髪をキレイに撫で付けて整えており、丸目の銀縁眼鏡。
口元には白い髭が上品に揃えられてたくわえられている。
そして最年長であり取締役のひとりでもある。
彼の落ち着いた立振る舞いは、このメンズフォーマル部門にふさわしい。
実際彼の家柄はかの有名な武将の流れを汲んでいる。
彼の立ち振る舞いの良さはそこから来ているのかも知れない。
そして、彼は伝説のテーラーだった。