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TRUE COLORS ~PURPLE~
第11章 “cherry blossom”
「そう、あなたもうすぐハタチなのね。いいわぁ!若いって♡」
マチ子ママはよほどサオリが気に入ったのか。
彼女のそばに置き。ペリエのグラスを両手で持ち
コクコクと飲むさまを愛おしそうな目で見つめている。
「いいわぁ。ワタシ、この子みたいな娘ずっと欲しかったのよねぇ~♡」
カットフルーツ盛り合わせの中から一粒のシャインマスカットを摘み、
はい、あ~んとサオリの口元に運ぶ。
それをぱくと口に含むさまを見て、また更に身悶えるマチ子ママ。
あ~あ。見てらんない。
そんな私にチラと視線を寄越す。
「貴方。確かジュリアよね?レイの方が本名?」
「ええ、レイ・ルーカスが本名です。」
水割りのグラスが空になったのでテーブルに戻すと、
ダイアナがお代わりを作ろうと手を伸ばしてくるがそれを軽く制す。
「“cherry blossom”の雅人の紹介で」
そう言いかける私を
「あ~あ~あ~あ!そういうのはいいから!」
大きな声で遮る。
「雅人から全部聞いてて、全部知ってる!」
「全部?」「そ。全部。」
まさか。
「ふふふふ。まさかって思ってるでしょ?ま、いいわ。本題はここから。」
と不敵に笑い、もう一粒シャインマスカットをサオリの口に含ませる。
「全部知ってるという、証拠、ひとつ。ここで言ったげるから。」
何を言うつもり?
冷汗が背中をツと流れていく。
「沙織ちゃん。あなた歌がとってもお上手なんですって?」
シャインマスカットがまだ口の中にあるままのサオリは
話すことが出来ずにコクコクと頷き、そうだと意思表示をする。
「ね、あそこを見て。ステージがあるでしょ?」
ステージを指さすマチ子ママの目を見、ステージを見、コクコクと頷く。
「ウチのコたちのショーをするステージよ。」
サオリがチラと私を見る。
「貴方がお店のステージで歌えば。そのお店は繁盛するっていうお話。」
それを証明して?と私とサオリを交互に見ながらそう言う。
そう、この話は“children”の中と
その協力者との間だけで密かに囁かれている実話。
マチ子ママがこれを知っているならば。間違いなく雅人も…。
「ええ、雅人も知っている話よ。」
固くなった私の表情から、私の今の想いを読み取るマチ子ママ。
侮れない。
マチ子ママはよほどサオリが気に入ったのか。
彼女のそばに置き。ペリエのグラスを両手で持ち
コクコクと飲むさまを愛おしそうな目で見つめている。
「いいわぁ。ワタシ、この子みたいな娘ずっと欲しかったのよねぇ~♡」
カットフルーツ盛り合わせの中から一粒のシャインマスカットを摘み、
はい、あ~んとサオリの口元に運ぶ。
それをぱくと口に含むさまを見て、また更に身悶えるマチ子ママ。
あ~あ。見てらんない。
そんな私にチラと視線を寄越す。
「貴方。確かジュリアよね?レイの方が本名?」
「ええ、レイ・ルーカスが本名です。」
水割りのグラスが空になったのでテーブルに戻すと、
ダイアナがお代わりを作ろうと手を伸ばしてくるがそれを軽く制す。
「“cherry blossom”の雅人の紹介で」
そう言いかける私を
「あ~あ~あ~あ!そういうのはいいから!」
大きな声で遮る。
「雅人から全部聞いてて、全部知ってる!」
「全部?」「そ。全部。」
まさか。
「ふふふふ。まさかって思ってるでしょ?ま、いいわ。本題はここから。」
と不敵に笑い、もう一粒シャインマスカットをサオリの口に含ませる。
「全部知ってるという、証拠、ひとつ。ここで言ったげるから。」
何を言うつもり?
冷汗が背中をツと流れていく。
「沙織ちゃん。あなた歌がとってもお上手なんですって?」
シャインマスカットがまだ口の中にあるままのサオリは
話すことが出来ずにコクコクと頷き、そうだと意思表示をする。
「ね、あそこを見て。ステージがあるでしょ?」
ステージを指さすマチ子ママの目を見、ステージを見、コクコクと頷く。
「ウチのコたちのショーをするステージよ。」
サオリがチラと私を見る。
「貴方がお店のステージで歌えば。そのお店は繁盛するっていうお話。」
それを証明して?と私とサオリを交互に見ながらそう言う。
そう、この話は“children”の中と
その協力者との間だけで密かに囁かれている実話。
マチ子ママがこれを知っているならば。間違いなく雅人も…。
「ええ、雅人も知っている話よ。」
固くなった私の表情から、私の今の想いを読み取るマチ子ママ。
侮れない。