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蒼い春
第7章 ほんとうの春

2人の結婚話はトントン拍子に進んだ。

颯太のご両親に挨拶に伺った際には
大歓迎していただいた。

仲のよいご家族だった…

「奈央さんのご両親にも
挨拶に伺わなければいけませんねえ」

颯太のお父さんがポツリと漏らした
その言葉を聞いて、
颯太がわざとらしくおっほんと咳払いをした。

「え?…あ、そうか、
こりゃ、すまん…
奈央さん気を悪くせんでくださいよ」

いえ、いいんです… そう笑顔で答えた。

颯太が、ご両親に
ちゃんと奈央の家庭のことを
話してくれていたのだろう
でも、こうして新たな家庭を築くに際して、
やはり母のことが気にかかった…


奈央はやはり身篭っていた。
あの当直の夜のときに懐妊したのだ。

学園には出産とともに
辞職をしたいと申し出たが、
奈央を気に入っている理事長から留意された。

「この学園は小中高一貫なのはもちろん、
幼稚園も付帯しているのです。
お子さんを無条件で入園させてあげるから
辞職は考え直していただけないか?
できれば産休という形で…どうだろう?」

ありがたかった。

こんな教師になりたての新米に
こうまで言っていただけるなんて。

「颯太ともう一度相談してみます」

そう答えたが、やらせていてだけるのなら
このまま養護教師を続けようと思った。

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