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蒼い春
第2章 恩師 月島弓子
奈央の住居の文化アパート脇の道端に
車を停車させると、
弓子は深呼吸を2,3度繰り返し、
震える指で奈央の玄関の呼び鈴を押した。
「はい、どちらさまですか?」
パジャマにカーディガンを羽織った母親が
対応に顔を出した。
○○中学校、美術教科の月島と申します。
娘さんの奈央さんの事で伺いました。
そう告げると母親は怪訝そうな顔をした。
「奈央がなにか?…」
「奈央さんを校内で保護しております」
「はあ?なにを言ってるんです?奈央は…」
「お父様はまだ在宅でしょうか?」
母親の言葉を遮り、
弓子は父親への面談を頼んだ。
「何を朝っぱらから騒いでるんだ?」
眠気眼の義父が玄関に顔を出したのと同時に
弓子の平手が義父の頬を引っ叩いた。
「な、何をするんだ!!!」
いきなり頬を打たれた義父が声を荒げた。
「何をするですって!!!
じゃあ、あなたは奈央さんに
何をしたっていうのよ!!!!」
弓子の足がガクガク震えた。
興奮のあまり、声が擦れた。