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蒼い春
第3章 奈央の就職

落ち込む奈央に幸久が声をかけた。

「あのさあ…。奈央ちゃん…
公務員教諭ほどのお給料はでないんだけど、
よければ私の勤務先の私学高校の養護教諭として
働いてみないかい?」

幸久は私学の美術教諭として教壇に立っていた。

まさに救いの神だった。

低賃金だろうが
定職につけるのはありがたかった。

話を聞けば、
現在赴任している養護教諭が懐妊のため、
この3月で退職するというのだ。

幸久は学園の理事長からの人望も厚く、
幸久の願いを理事長は快諾してくれた。


「理事長は、
一応面接をしたいとおっしゃってるんだが、
今週の土曜の夕刻5時でもかまわないかい?
付き添ってあげたいが
緊張感をもって
面接に望んでいただきたいということなので、
学園の理事長室で2人だけで
面接を実施したいとおっしゃってるんだ」

「ええ、かまいませんわ。
理事長に気に入ってもらえるように
がんばってきます」

そう健気に笑顔を見せた奈央だったが、
面接前夜は緊張のあまりよく眠れなかった



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