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蒼い春
第3章 奈央の就職

自己紹介をお願いします。

そう言われて心臓が早鐘を打ち、
口から飛び出そうだったが
なんとかうまく言えたと思う。


もう一人の同期メンバーは見覚えがあった。


確か、体操の五輪候補として
マスコミを賑わした男だった。

肩を怪我して体操の道をあきらめて
教諭の道を選んだのだと自己紹介でわかった。

さすがに体操で
何度も大会の修羅場を
くぐり抜けてきた男だけに、
自己紹介も堂々としていた。


「森下先生…同期としてがんばりましょうね」

小さな声で耳元で囁かれたとき、
別の意味で心臓がドキドキして
赤面するのが自分でもわかった。



入学式では登壇することはなかったが、
教諭席から新入生の姿を眺めてみて
丸岡が言った言葉を思い出さずにいられなかった。

茶髪ならまだかわいいほうで

金髪やら長髪やら
美容室に飾られてる写真のような
ヘアースタイルのオンパレードだった。


まさか保健室で
喧嘩騒ぎになることはないだろうけど、

気持ちを引き締めなきゃと
思わずにはいられなかった。



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