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蒼い春
第1章 ロストバージン
奈央は息をひそめ、
ひそかに男女の交わりを
覗いて自分で慰めた。
声を出してはいけない、
音も立ててはいけない。
ハンカチをしっかりと口に咥えて
静かに静かに逝った。
おそらく多少の声は漏れていただろう。
音もたてているはずだった。
だが襖の向こうで交じり合う男女の
激しい腰使いと喘ぎ声は、
襖をガタガタと揺らし
奈央の微かな喘ぎ声や
衣擦れの音をかき消していた。
SEXというものは
男のおちんちんを股に挟み、
擦るものだと思っていた。
だが、夏休み前に
学校で女子だけが視聴覚教室に集められ、
性教育のビデオを見せられた。
おちんちんを自分のワレメに入れ、
射精されることで赤ちゃんができる…
母と男も赤ちゃんが出来るのではと思ったが、
そういえば男は必ず
母のわずかばかりの膨らみの胸に
白い液体を出していることに気付いた。
学校のビデオではコンドームという避妊具を
男のおちんちんに被せて
避妊すると教えられたが、
ああすることで
赤ちゃんを作らないようにしているのだと
理解した。