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蒼い春
第1章 ロストバージン

やがて母は男と結婚した。

おんぼろアパートに別れを告げ、
少し広いアパートに引越し
家族3人の生活が始まった。

奈央は男があまり好きじゃなかったが、
男が居ることで
母の顔が柔和になり
奈央に優しくなってくれたことで、
少しだけ心を開いた。


母は結婚すれば
生活が楽になると喜んでいたが、
実際はさほど豊かにならなかった。

家計を助けるために
母はスーパーのレジ打ちのパートに
出なければならなかった。

ある土曜の昼下がり、
母はいつもようにパートで家にいなかった。

養父は休みなのか奈央が学校から帰宅すると
居間で横になりビデオを観ていた。

どうやらビデオはAVのようで
奈央が帰ってきたのに気付くと
慌てて画面を切り替えた。

奈央はしっかりと男女が絡み合う画面を
見てしまったが、
気付かぬフリをして「ただいま」と告げ
自分の部屋に逃げ込んだ。

セーラー服を脱ぎ、
部屋着に着替えていると
いきなり襖が開き養父が入ってきた。

「お養父さん、ごめんなさい。
今、着替えてるので…」
脱いだセーラー服で咄嗟に身体を隠した。

「どうだい奈央、学校は楽しいか?」

笑顔で話しかけてきたが、
ステテコ姿の養父の股間は
立派にテントが張られていた。

「お養父さん…私、着替えたいんですけど…」

部屋から出て行ってほしいという意味合いで
言ったのに
「どうだ、勉強でもみてやろうか?」
そう言ってベッドに腰掛けた。

「いやあ~、今日は暑いなあ。
下着姿で充分だなあ」
部屋着など着ないで
奈央もそのままでくつろいだらどうだ。

そんなことを笑いながら言いながらも、
養父の目が血走っていた。

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