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保険外交員の営業痴態
第7章 コンビネーションプレー
「ご挨拶が遅れましたね
私、こういうものです」
男は名刺を真由美に差し出した。
「霧島栄一」
ベンチャー企業らしく、その肩書きは
CEOと書かれている。
「あ、すいません…頂戴します
あの…すいません…
私まだ名刺が出来ていないので…」
真由美が申し訳なさそうにすると
「横田さん、だめですよ
ちゃんと名刺を作ってあげなきゃ」
「すいません、試用期間終了後というのが
弊社の習わしでして…」
だから古い会社は頭が固くて嫌なんですよと
明子を睨んでいたが
真由美の方に目をやるときは
パッと柔和な目つきに変わっていた。
「君、名前は?」
「はい、真由美です。中西真由美と申します」
ウンウン、名前もいいねえ、
声はもっといい!
君も横田さんの言う特別サービスを
してくれるのかい?
霧島は爽やかに笑ったつもりだろうが
その目をとてもいやらしく
真由美の胸元に注がれていた。
「あ、そうだ!
君と横田さんの二人で
サービスをしてくれるのなら
大口の保険に
入ってあげれないこともないんだけどなあ」
霧島は立ち上がって
真由美と明子の背後に立ち、
双方の肩を抱いてきた。
「ええ、社長さんが望むのなら
私たちも頑張らせていただきます」
ね、そうよね?と
明子さんは真由美を見つめてうなづいた。