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保険外交員の営業痴態
第11章 ドライバー 白山広大

「えっ?マジで?」

保険の勧誘で体を開くという噂を
耳にしたことがあった。
そんな事は実際にはないのだろうと
噂はあくまで噂だと思っていた。
まさか本当にそんな旨い話があるなんて…

「私って魅力ないですか?」

もっと食いついて来なさいよと
真由美は物欲しそうに唇を舐めて挑発してみた。

「そんな事はない
あなたは魅力的です…
保険にさえ入れば…その…
ヤラせてもらえるんですか?」

来た!
餌に食いついてきた!

「そりゃあもう…
焼くなり煮るなりご自由に…
でも、ちゃんと契約してくれなきゃダメよ
印鑑、持ってる?」

「認め印でいいんなら持ってるよ」

「それで充分よ
じゃあ…署名捺印してもらえる?」

ああいいとも!
白山はいそいそと運転席に戻り
バッグから印鑑を取り出して真由美の元へ急いだ

「どこにサインすればいい?
あ、ここね。はいはい」

興奮しているのか
少し手が震えていて
文字が踊っていた。

それでも自筆には違いない。
まさか帰郷のついでに契約が取れるなんて
ラッキーとしか言いようがなかった。

「さあ、サインもしたし判子も押したから
楽しませてくれよな」

カチャカチャと忙しなくベルトを外し始めた。

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