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保険外交員の営業痴態
第12章 実家にて…

『やだ!痴漢かしら?』

真由美は執拗にスカートを触ってくる手を
ガッと掴み返した。

その手の主に「何すんのよ!痴漢!」と
罵ってやろうとしたよりも先に
「違うんです、
お姉さんのスカートに
ティッシュが付いていたから…」

スカートを引っ張っていた男の子(多分、高校生?)
が小さな声で誤解ですよと囁いた。

『ティッシュ?』

男の子の手に握られていたティッシュを見て
真由美は赤面した。

あの運転手が流した精液を拭ったティッシュが
事もあろうか真由美のスカートに
へばり付いていた。

「あ、ありがとうございます…
どうぞ見なかったことにしてください」

真由美は男の子から
汚れたティッシュを奪い取ると
急いでくしゃくしゃと丸めてポケットに隠した。

男の子はべちょッとした汚れた自分の指先を見て
「お姉さん、これ、もしかしたら…」と
その汚れがザーメンであることを悟ったようだ。

「大人の事情ってやつよ、忘れて頂戴」

そう言って男の子に背を向けたが
なおも彼は
「お姉さん、もしかしてエッチな人?」と
追い打ちをかけるように話しかけてきた。

「だから!忘れて頂戴って言ってるでしょ!」

小声だけれど
私は怒っているのよというニュアンスで
真由美は男の子を睨んだ。


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