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保険外交員の営業痴態
第12章 実家にて…
「俺、お前にだけは本当の事を言うよ」
そう言いながら進一にいちゃんは
ベッドに腰かけた。
真由美は、いつ襲いかけられてもいいように
ベッドの真ん中にペタンと腰を下ろした。
『わたし、コクられるのかしら…』
心臓が早鐘を打ち出した。
「俺さあ、今度、結婚するんだ」
進一の告白に
真由美は違う意味で「えっ?」と
驚きの声を上げた。
「まだ両親にも言ってないんだけど…
俺さあ、大学時代の彼女を孕ませちまってさ」
進一にいちゃんの告白に
真由美は目をパチクリさせた。
「今度、彼女が安定期に入ったら
連れて帰ってこようと思うんだ
あっ、まだこの事は誰にも言うなよな
って言いながら、
俺、この事を誰かにしゃべりたくて
ウズウズしてたんだよ」
「そう…それはおめでとう…」
そして真由美はハッと気づいた。
これってチャンスじゃない?
真由美は慌ててベッドから飛び降りると
バッグから保険のパンフレットを取り出した。
「いい?進一にいちゃん、
結婚するってことは、
にいちゃんひとりの体でなくなるってことよ」
「ああ、まあ、そうだよな…」
そのためにも!
今から保険に入っていた方がいいって!!
真由美は意を決して
パンフレットを進一にいちゃんに差し出した。