この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
保険外交員の営業痴態
第12章 実家にて…
「わかったよ、大きな声を出すなよ
おじさんとおばさんが目を覚ますだろ」
まあ、ちょっとやそっとでは起きないように
たらふく呑ませてダウンさせてきたけどなと
進一は計画的に
真由美の両親を酔いつぶれさせたと白状した。
あんなに誠実だった進一にいちゃんが
すっかりダークな男になっちゃったのねと
ペンを取り出しながら呆れたように
真由美は言った。
「はんこ、持ってきてるんでしょうね?」
「ああ、部屋に戻ればあるよ
でも、取りに帰ったとたん
窓を閉めるのはやめろよ」
うまく言いくるめられて
部屋から閉め出されることを進一は怪しんだ。
そんなことはしないわよ
署名、捺印をしていただけるのなら
あなたは立派な契約主さまですもの
反対にこちらが逃がさないわよ
真由美の言葉を聞いて安心したのか
じゃあ、ちょっくらハンコを取ってくるわと
来たときと同様に身軽に自分の部屋に戻った。
進一が戻ってくるまでの短時間で
真由美は身だしなみを整えた。
保険を契約していただけるのだから
とびっきりのサービスをしなければと
真由美はドレッサーの前に座って
薄化粧を始めた。
簡単な化粧を済ますと
見計らったように
進一が再び窓を飛び越えてやってきた。