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保険外交員の営業痴態
第2章 ターゲット
「突然にこんな話をしても
ビックリされちゃいますよね」
天野は「まあね」と言いながらも、
バックヤードの狭い部屋で
差し向かいで話すと親近感が生まれるのか
男の相好が崩れた。
「ほんとに申し訳ございません」
そういいながらも商品カタログを
せっせと押し広げてゆく。
「この保険、ほんとに条件がいいんです。
それに今なら契約してくれれば
特上のサプリメントをサービスしちゃいます
このサプリメントを飲み続けると
体の内側から効いて
お肌がスベスベになるんです。
実は私も飲んでいて…ご覧になります?」
そう言って真由美は
コンビニユニフォームの第二ボタンまで外し、 若々しいデコルテをさらけだしながら
天野に笑顔を投げかけると
「へえ…そうかい」と言ったきり口をつぐんだ。
天野の視線は、
かなり際どく開いた真由美の胸元に
釘付けになっていた。
「あ、見るだけじゃ
スベスベかどうかわからないですよね
よければ触ってみます?」
とにかく自分のペースに持ち込まなければと
天野が寡黙になった瞬間を見逃さずに
追い討ちをかけた。
「え?…いいの…かな?」
年甲斐もなく天野は
頬を紅潮させて耳まで真っ赤だった。
「さあ、どうぞ、どうぞ」
真由美は天野の目を見ながら
さわやかな笑顔を振りまき、
さりげなく男の手を取り胸元へ導いた。
「ああ、ほんとだ。スベスベだ…」
ただ私は男だから
肌がきれいだろうとなかろうと関係ないかな、
そう言いながらも何度も何度も
真由美のデコルテを撫でた。