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保険外交員の営業痴態
第14章 人事部 木下幸平
「おにいちゃん!おにいちゃん大好きよ!!」
真由美は無我夢中で進一の唇に吸い付いた。
チュッ…
チュッ…
チュッ~…
それまでも襲いくる波のために
浅い呼吸だったのに
トドメの真由美のキス攻撃で
進一は一気に酸欠になってゆく。
「ううむぅぅ…」
自然と意識が遠のいて
ブクブクと湯の中に落ちていった。
「きゃあ~!!おにいちゃん、大丈夫?!」
真由美は慌てて進一を湯の中から引きずりあげた。
「ごめ~ん…おにいちゃん、しっかりしてぇ!」
抱きかかえるようにして
二人はバスルームを出た。
意識が朦朧としている進一の足取りがおぼつかない
火事場のくそ力というやつだろうか
小柄な真由美のどこに
そんな力があるのかと思うほど
なんとか進一をベッドに寝かせた。
バスタオルでパタパタと扇いでやると
ようやく「ふひぃ~ひぃ~」と
進一が落ち着きを取り戻しつつあった。
「ごめんなさい…
おにいちゃん、大丈夫?」
「ふぅ~…マジで死ぬかと思ったよ」
落ち着きを取り戻すと
二人ともなんだか妙に可笑しくなって
どちらからともなく大笑いし始めた。
「アハハハハ…」
「うふふふふ…」
もう大丈夫だよ。
真由美、こっちに来な。
進一は真由美の手を取って引き寄せると
そのまま強く抱きしめた。