この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
保険外交員の営業痴態
第14章 人事部 木下幸平
「はい…中西です…
あの…ご用件とは…?」
緊張して語尾が震えてしまう。
「怖がらなくていいんだよ
何も取って喰おうというんじゃないんだから」
メガネの奥の目がスッと柔和になり
木下も真由美に対面するように
ソファに腰かけた。
「成績表、見せてもらいましたよ
下半期、すごく成績を伸ばしていますね」
それも契約者は男性ばかり…と
木下は一言を付け加えた。
「契約を取る秘訣ってのがあるんですかねえ」
参考までに教えてもらえませんかと
やけにねちっこく話し始めた。
「いえ…そんな…秘訣だなんて…」
まさか枕営業してますなんて
口が裂けても言えないわ。
「いや、あなたを指導しているのが
横田明子チーフだと伺ったものでね
あの人のサービスを君も受け継いでいるのかと思ってね…」
全部わかっているんだよと
木下部長は立ち上がって真由美の背後に回り込んだ
「これだけ成績を伸ばしているんだから
君も横田くん並のサービス営業しとるんだろ?」
さあ、白状したまえと
木下部長は真由美の肩に手を置いて
人差し指を立てて真由美のうなじを触ってきた。
「あの…どう言うことかわかりませんが…」
ここは是が非でもシラを切らねばと
真由美はゴクリと生唾を飲んだ。