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保険外交員の営業痴態
第5章 元カレにアタック
「天気予報、バッチリだな」
台風が来るって言うのに
サッカーの試合をやろうぜと
チームメイトに駆り出されたのはいいが
結局、風雨が強まってノーゲームになったと
和真は笑った。
ああ、そうだった…
カズくんがサッカー部で
彼に近づきたいばかりに
サッカーに興味もないのに
真由美はサッカー部の
マネージャーに志願したのだった。
「まだサッカーを続けてたのね」
「ああ、サッカー好きが集まっただけの
草サッカーだけどな」
そう言って和真はタオルを引き出したバッグから
サッカーのユニフォームを
取り出して見せてくれた。
背中には背番号11とKAZUとネームを入れてある
「まるでキングカズみたいね」
「だろ?」
実力は雲泥の差だけどなと
豪快に笑った。
「家まで送ってやるよ。
まだ、あの部屋に住んでんだろ?」
「うん…」
和真の車はナビも使わずに
真由美の部屋を目指して発進させた。
『まだ私の部屋を覚えてくれてたんだ…』
なんだか心が温かくなった。
徒歩だとかなりの距離も
車だとあっという間に到着した。
「よかったら寄ってく?」
別れた時は顔もみたくないと思ったけれど
なぜだかこのままサヨナラするのが辛くて
真由美は自然に和真を部屋に招こうとしていた。