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保険外交員の営業痴態
第6章 准教授の前田
ほどなく前田の車は
真由美のマンションに到着した。
「さあ、君の部屋に案内してくれたまえ」
言葉では落ちつき払っているが
勃起しているのか
前屈みで歩く姿が滑稽だった。
エレベーターで真由美のフロアに到着するまで
背後の前田の視線が気になった。
『突き刺さる視線ってこの事ね』
前田はじっと真由美の尻ばかり見つめている。
『可哀想…こんなにがっついて…
溜まってるのかしら…』
エレベーターという個室のなかで
抱きつかれやしないかと
ハラハラしたが、前田にも理性があるのか
距離を保ったままじっとしてくれた。
間もなくエレベーターは部屋のフロアに着き、
真由美は准教授を部屋に案内することに…
『部屋を教えてよかったのかしら…
もしかして、この後も訪問されたり
ストーカーされたり…』
真由美の歩みが遅くなったので
「もしかして部屋を教えるのを躊躇してません?
大丈夫です、
僕だってそれなりの理性はありますから」
まるで真由美の心を読まれたようで
思わず赤面してしまった。
「いえ…そんなことは…」
否定の言葉を発したけれど
そのように思ったのは確かなので
心の中で前田准教授に非を詫びた。