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保険外交員の営業痴態
第7章 コンビネーションプレー
「そうだ!
真由美ちゃん、この後の予定は?」
「台風の影響でゼミが休講になったので…
特に予定はありませんけれど…」
やった!
明子は小躍りしたい気分だった。
「それなら…悪いんだけれど
ちょっと私に付き合ってくれない?」
お世話になっている明子さんの頼みなのだから
断れる訳がなかった。
「じゃあ…一度帰宅しておめかしして頂戴
それと…メイクもバッチリでお願いね」
「それは構いませんけど…
あの…どこへ連れていってくれんですか?」
着替えてメイクもしろと言うのだから
高級レストランにでも連れていってもらえのかと
真由美はそのように期待した。
「ちょっと手強いお客さんがいるのよ
何度もチャレンジしてるんだけど
なかなか保険に入ってもらえなくて…」
明子さんで歯が立たないのだから
自分が行っても足手まといになるだけではと
真由美は尻込みしたが
「ううん、そんなことないわ
ちょっと目先を変えるだけで
意外とあっさり落とせる場合もあるしさあ」
明子さんの口調は
何がなんでも真由美を連れていこうという魂胆が
ありありだった。
「わかりました…
じゃあ、一度帰宅しますね」
そうは言ったものの
何を着ていけばいいかしら?
お洒落などしたことがないので
仕方なしに成人のお祝いに
母が送ってくれたワンピースに初めて袖を通した。