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あなたの手当て
第1章 初めての部屋
【side百音】

先生の部屋に来るのは始めてだった。
男の人の部屋にひとりで来るのは
私は当然初めてな訳で
心臓ばかりが
トクトクと音が聞こえるんじゃないかって言うくらい
ドキドキしていた。

私自身、
先生の事は好きだから
たとえ先生に何と言われても
何をされたとしても
受け入れたいっていう気持ちはある。

それでも
未知の事に対して
少し怖いような気持ちが
無いと言ったら嘘になる。

おそらく
部屋に来てから
コーヒーを入れてくれようとしている先生自身も
この状況をどうしたらいいのか
逡巡しているに違いない。


「あの、先生?」

私が切り出すと同時に

「あの、永浦さん?」

咄嗟に目が合ってしまった。
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