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黒い瞳
第5章 淳子~15歳~
「私のことを、身勝手な男だと思っておるだろな。 度量の小さな男だと・・・
本質は些細なことではないのだが・・・」
それは今はまだ、話すべきではないだろうと話を結んだ。
「それはそうと、あなたはこれからどうするのだね。」
その相談にきたのです。
まだ私を娘と思っているのなら、
なんらかの援助をお願いしたいのです。
そう話そうとする前に父が口を開いた。
「よければ、この家で暮らさないか?
私はごらんのとおり気ままな一人暮らしだ。
あなたも私以外に身寄りもないのだし・・・
そうしなさい。ここで暮らしなさい」
父娘として、もう一度やり直そうと言う父の言葉に甘え、
淳子は父と暮らし始めることにしたのだった。
父は淳子によくしてくれた。
流行の服を買い与え、お茶やお花といった習い事もさせてくれた。
二人のわだかまりも消え、
穏やかな日々が流れていった。
ある夜、淳子は入浴中の父に声をかけた。
「お父さん、もしよければ、お背中お流ししましょうか?」
淳子なりに父への感謝の気持ちから出た言葉であった。
「えっ?そりゃあ、嬉しいなあ」
淳子は急いでTシャツと短パンに着替え、
浴室に入り、父の背中を流してあげた。
「こりゃあ、気持ちいい。至り尽くせりだな」
父の言葉に嬉しくなった淳子は
「お父さん、お風呂からあがったら、
肩と腰を揉んであげる」と言ってあげた。
「ほんとうかい?こりゃあ淳子にご褒美あげないと罰があたるかな?」
そういって父は豪快に笑った。
「淳子、一生懸命洗ってくれて汗をかいたろう。 服を脱いで一緒に風呂に入りなさい」
「えっ?それはちょっと・・・」
「なにを恥ずかしがってるんだね、親子じゃないか。さあ、早く」
父は背を向け湯船に浸かった。
それじゃあ、お言葉に甘えてと
淳子は服を脱ぎ、湯船に入った