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黒い瞳
第5章 淳子~15歳~
恥ずかしいからこっちを見ないでね。
そう言って、背中合わせに湯船に浸かっていると、 父の大きな背中に安心感を感じた。
「これがほんとの父娘水入らずだな」
そういって、はははと再び豪快に笑った。
二人は風呂からあがり、居間でくつろいだ。
「淳子、ほんとうにマッサージをしてくれるのかい?」
水割りを飲みながら、父が尋ねた。
「ええ、あとで寝室で揉んであげるわ」
「そうかい?そりゃあ楽しみだ。
じゃあ、寝室で待ってるからね」
上機嫌で鼻歌まじりで父は寝室へ消えた。
「お父さん、失礼します」
寝室を訪ねると、父は上半身を裸にして、
ベッドに横たわっていた。
「肩が凝って堪らないんだ。よろしく頼むよ」
肩を指で押すと、父の言うように、カチカチだった。
20分ほどマッサージを続けると、
ようやく肩がほぐれてきた。
「淳子…」 おもむろに父が問いかけた。
「はい?」
「お前は自分の血液型を知っているかい?」
「ええ、A型ですけど…」
「そうだったね…私は…O型だ」
「…?」
「お母さんもO型だった…これが何を意味するかわかるかね?」
「お父さんもお母さんもO型、それがなにか?」
「血液型の組み合わせって決まってるんだよ。 O型同士の父母からは、A型の子供は生まれないんだよ!」
え?・・・・それって・・・
「そう、つまりお前は私とお母さんの間の娘ではないということだ!!」
父はおもむろに起き上がり、淳子を組み伏せた。