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いろはにほへと~色は匂えど~
第4章 月謝は体で
さて、その夜のことである。
お吉は月のモノの痛みがひどいのか
夕餉の支度に来てくれなかった。
仕方がないので
沢庵をポリポリと囓っておると
一人の妊婦が訪ねてきた。
女は与作の母親であった。
「先生様に折り入って教えを頂戴しに来ました」
妊婦は恥ずかしそうにそう言った。
はて、なんであろうかと問うてみると
「息子の与作が子作りを教えろと言うのです。
ややこがどこから入ってどこから出るのだと…」
ははあ、夕刻にお民に吹き込まれて
興味を抱いてしまったのだな。
「そういうものは放っておけばよい。
股下のことは婚姻前に教えればよいではないか」
まさかお吉を相手に
みんなの前で実践するわけにもいかないので
股下のことは知らず存ぜずを決め込もうと思っていた。
「お主だって、婚姻前に初めて
父母に教えられたのではなかったかな?」
「そりゃあそうですけんど…」
納得していただけたようなので
お引き取り願いたかったが
大きな腹を抱えてしんどそうだったので
「少し休まれてから帰られるとよい」と
寝間に招いた。
妊婦はしんどそうに
ゴロリと万年床に寝転がった。