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濡れるハイスクール
第3章 あおい と 美幸

何にせよ今日は無理ね

芙美子が冷たく突き放す。

「明日、もう一度チャンスをあげるわ。
これでスタミナのつくものでも食べに行きなさい」

そう言って高額紙幣を数枚握らせた。

好きな男とは言え、
体面を気にする芙美子は
恭輔を連れて歩こうとはしない。

もちろん一緒に外食などもってのほかだ。

逢瀬もこのように
街から遠く離れたラブホテルの一室で済ます。

これが芙美子流の逢瀬なのだ。


スタミナのつくものと言われたところで

やはり食生活を変える気はなかったので

いつものコンビニ弁当を片手に帰宅すると,

女子生徒が玄関で座り込んで待っていた。



昨夜のデジャブか?と思ったが、
どうやら今日は一人だけのようだった。


「片平さん、また僕に用ですか?」

あおいの顔を見て
恭輔はうんざりといった表情をした。


どちらかと言えば
美雪に待ち伏せしてもらえていれば
どんなにか嬉しかったか…

「先生…折り入って話があります」

その顔は真剣そのもので
悪戯を仕掛けてきたのではないと理解できた。

「まあ、こんな所で立ち話もアレだから」と
大井崎はあおいを部屋に招き入れた。


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