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蜜と獄 〜甘く壊して〜
第6章 【あなたに壊されたい】





「リリカさーん!もう会えないなんて悲し過ぎますぅ!」とトモチンも泣いてくれてる。
ごめんねぇ〜と最後の包容。
一切連絡を断ち切って一から頑張りたいのと言う私を全力で応援してくれる心強い味方だ。




「いつか絶対連絡ください」と連絡先ゲット。
本当にありがとう。
大好きな皆に囲まれて頭が上がらないよ。
ボーイさんからも労いの言葉を掛けられ化粧崩れちゃう。




ようやく、長い一日が終わった。









「本当にこれで良かったのか?」




最後にオーナーからそう聞かれる。




「はい、悔いはありません」




「この後会うんだな?」




「はい、ちゃんとケジメはつけてきますので」




「ハハハ!芯の通ったお嬢様は強いな、目付きからして違うよな」





「本当に、短い間でしたがお世話になりました」




「はぁー、正直リリカの居なくなった穴はデカいぞ、大打撃だ」




「す、すみません……」




「まぁ、あんな真剣な顔して言われたら大事なキャストの気持ち汲むしかないだろ?」




「感謝してます」




「さぁ、早く行ってやれ」




「はい、ありがとうございました!」




花束を抱え、タクシーに乗り込む。
見えなくなるまで手を振った。
悲しい涙は取っておく。
楽しかったから。
バイバイ、リリカ。
No.1になれたあんたは私の誇りだよ。




一旦家に戻り、花束を置きに行く。




ひと目でわかるようにテーブルの上に花束を置きメモを書く。
(こちらも全部処分してください)





たくさん貰った花束も持っては行けないので写真に収め泣く泣く処分して貰う方向で。
明日の朝にはプロの業者さんが来て家具から全て運び出しもぬけの殻にする予定だ。




この家ともオサラバな訳でリフォーム済だからすぐに買い手がつくらしく、不動産屋にお任せした。
家具付き物件にしても良かったけど、売り物件だって事をひと目でわかるようにしたかった。





外で待たせてあったタクシーに再び乗り込む。




待ち合わせ場所に選んだ空港へ。
小さなキャリーバッグ1つで降り立った。
空港といってももう深夜便ですら飛ばない時間帯なので乗りに来た訳ではない。
そこで、堤さんと待ち合わせしているのだ。










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