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女優
第3章 本当の本番
ああ…昇ってゆく…
女として最大の喜びが見え始めてくる。
そんな時だった。
監督の「カ~~ット!!OKィ」という声が
室内に響く。
途端に男優はピタリと腰の動きをとめて
スタンバイ状態になった。
そ、そんな!
あともう少しで、とんでもない幸せな気分になれるはずだったのに!
愛子は堪らずに下から腰をせり上げた。
「こらこら、勝手に逝こうとするなよ」
しばしの休憩とばかりに
男優が脱力して愛子に覆いかぶさってきた。
「はい、ではアングルチェンジしま~す」
監督の号令とともに、
カメラマンがベッドに上がり
男優の肩ごしからレンズを覗かせた。
このアングルからだと男目線になるから
いかにもハメ撮りしてるようになるのさと
男優がこっそり教えてくれた。
監督の「アクション!!」の声と共に
再び男優が腰を振りはじめた。
ベッドがギシギシと軋む。
カメラマンも同じように
ベッドに上がってるから
ベッドの揺れがそのままレンズを揺らす。
モニターには、その揺れ具合が
まさしく男が女に
ピストンしているかのごとくの情景を
写し出していた。