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女優
第9章 温泉ルポ
「丁度いい、ギャラリーが来てくれた事だし
このまま本番に突入しましょうか」
そう言って監督は玩具のマイクを愛子に握らせた。
「あの…これって…」
「おいおいマネージャーさんよぉ、
ちゃんと仕事の内容を
女優さんに伝えてなかったのかよ~」
監督の安岡はマネージャーに詰った。
「あっ…ウッカリしてました…
じゃあ、今、伝えます」
愛子ちゃん、今回の仕事は
ここの温泉の魅力を
お客様から聞き出す事なんだよ~
お客様の本音を聞き出すために
背中を流してやったりしてあげてね
マネージャーは愛子の耳元で
小さな声でそう告げた。
「じゃあ『愛子の湯けむり旅情』
本番行ってみようか~」
監督の声が掛かると
仕事の邪魔をしてはいけないと思ったのか
一般客が愛子から離れて遠巻きに見学し始めた。
そのうちのさっき声を掛けてきたオヤジが
湯船から上がり洗い場に向かった。
「ほら、愛子ちゃんサービスしに行かなきゃ」
監督が催促する。
恥じらいもあったが湯あたりしそうだったので
愛子は湯船から上がりオヤジの背後に近づいた。
「お客様、インタビューいいですか?」
愛子にマイクを向けられて
オヤジも満更ではないようだ。
「嬉しいねえ~、
女優さんに話しかけてもらえるなんて」
オヤジは鏡に映る愛子のヌードを見ながら
ニヤニヤした。