この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
猫探偵の恋
第5章 付き合うなんて、無理 by海
私が番号を言うと、
すぐに洋平さんがその番号に電話を掛ける。
私の携帯が震え出す。
登録して、私からも電話を鳴らしてみる。
「折り畳みじゃない携帯?
見たことないね?
新しい機種なのかな?
ライブの前の日に、電話するね。
予定ある時は、断ってくれて良いよ?」と優しく言ってくれた。
「ほら、さっきのライブハウスに着いたよ?
この後は?」
「えっと…こっちです」と、今度は私が少し引っ張るように洋平さんを先導する。
「ここで飲んでたの」
もう店は閉まっていたけど、
中からまだマスターと誰かの声はしていた。
「ライブの後、ここでよく、1人で飲んでから帰るの」
店を通り過ぎてそのまま歩く。
路地裏に入って進むと、
さっきの大きい顔の野良猫さんが居る。
「あっ!
さっきの猫さん!」
猫は悠然とした態度でこちらを見ると、
私と洋平さんを見る。
そして、洋平さんに、
「にゃー。にゃー」と言うと、
生垣の間に消えて行った。
洋平さんが、少し困ったような顔をしている。
「どうしたの?」と訊くと、
「いや。
大したことないから」と曖昧な顔で笑った。
そのまま通り抜けると、
程なく私のマンションに着いた。
「ここなの」
「えっと…凄く言いにくいことなんだけど…」
「えっ?何?」
「まりんが方向音痴なのは、
凄く良く判った」
「?」
「めちゃめちゃ迂回しただけでね、
俺の家とまりんの家、
凄く近くだよ?
ライブハウス経由で来たから時間掛かったけど、
真っ直ぐここに来るなら…15分も掛からない」
「えっ?そうなの?」
「まりん、歩く時、
低いトコしか見てないでしょ?」
「う…うん。
咲いてる花とか、
野良猫さんとか…」
「ちょっと上、見て?
ほら、あの大きい白いビル。
あのビルの向こう側らへんが、
俺のマンションだよ?」
「そうなの?」
「それと…。
俺のこと、ここまで送らせてくれたのは嬉しいけど、
他のオトコとかに家まで送らせたらダメだよ?
危ないから」
「へっ?」
「説得力ないか?
送り狼っていう単語、聞いたことない?
家を特定されるのは危険だよ?」
すぐに洋平さんがその番号に電話を掛ける。
私の携帯が震え出す。
登録して、私からも電話を鳴らしてみる。
「折り畳みじゃない携帯?
見たことないね?
新しい機種なのかな?
ライブの前の日に、電話するね。
予定ある時は、断ってくれて良いよ?」と優しく言ってくれた。
「ほら、さっきのライブハウスに着いたよ?
この後は?」
「えっと…こっちです」と、今度は私が少し引っ張るように洋平さんを先導する。
「ここで飲んでたの」
もう店は閉まっていたけど、
中からまだマスターと誰かの声はしていた。
「ライブの後、ここでよく、1人で飲んでから帰るの」
店を通り過ぎてそのまま歩く。
路地裏に入って進むと、
さっきの大きい顔の野良猫さんが居る。
「あっ!
さっきの猫さん!」
猫は悠然とした態度でこちらを見ると、
私と洋平さんを見る。
そして、洋平さんに、
「にゃー。にゃー」と言うと、
生垣の間に消えて行った。
洋平さんが、少し困ったような顔をしている。
「どうしたの?」と訊くと、
「いや。
大したことないから」と曖昧な顔で笑った。
そのまま通り抜けると、
程なく私のマンションに着いた。
「ここなの」
「えっと…凄く言いにくいことなんだけど…」
「えっ?何?」
「まりんが方向音痴なのは、
凄く良く判った」
「?」
「めちゃめちゃ迂回しただけでね、
俺の家とまりんの家、
凄く近くだよ?
ライブハウス経由で来たから時間掛かったけど、
真っ直ぐここに来るなら…15分も掛からない」
「えっ?そうなの?」
「まりん、歩く時、
低いトコしか見てないでしょ?」
「う…うん。
咲いてる花とか、
野良猫さんとか…」
「ちょっと上、見て?
ほら、あの大きい白いビル。
あのビルの向こう側らへんが、
俺のマンションだよ?」
「そうなの?」
「それと…。
俺のこと、ここまで送らせてくれたのは嬉しいけど、
他のオトコとかに家まで送らせたらダメだよ?
危ないから」
「へっ?」
「説得力ないか?
送り狼っていう単語、聞いたことない?
家を特定されるのは危険だよ?」