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陽炎日記
第2章 麻友子
いやはや今日は大失敗だった。当初の予定だとキスした後ポンちゃんの太股で素股してスカートをザーメンで汚してやる算段だったのだがまさか小便漏らすとはな。お陰で俺の愚息はズボンの中でいきり立ち不貞腐れている。流石にこの時間から開いてる風俗はないし右手を恋人にする気にもならない。
さて、どうしよう。
スマホを取り出して時間を見れば8時半を少し回ったところだ。平日のこの時間なら・・・
俺はニンマリ笑うと電話をかけた。
トゥルルル、トゥルルル。呼び出し音が6回してようやく繋がった。
「遅い!」
相手が喋る前に怒鳴り付ける。
「申し訳ございません。ご主人様。」
聞こえて来たのは怯えきった女性の声だった。
「電話には3コール以内に出ろと教えた筈だな?」
「申し訳ございません。」
まったく、壊れたレコードじゃあるまいに。まあいいさ。
「7-11○○店に二十分以内に来い!」
返事も待たずに通話を切る。女、山下麻友子の家から指定した7-11までは車を飛ばしてもギリギリ二十分はかかる。
更に俺に呼び出された時に着用するように命じてある服装に着替えなければならないのだから到底間に合う筈がない。もっとも、仮に間に合ったとしても俺が「5分の遅刻」と言えばそれまでなのだが。
麻友子と出会ったのはもう一年近く前になる。初夏のある朝電車中で痴漢してやったのがはじまりだった。
その日は朝から掏摸で稼ごうと思っていたのに少し寝坊して目が醒めたのが11時前だった。平日の昼前では掏摸にしても痴漢にしても獲物は少ないだろうからさんぽがてら次の空巣狙いの下見でもしようかと思い直して駅に向かった。
俺は空巣先は土地勘のある地元ではなく壁に貼った地図にダーツを投げて選んでいる。テレビのバラエティーでやってたあのシステムだ。なにしろランダムに選出するのだから下手をすれば電車を複数回乗り換えなければならない時もある。当然見知らぬ土地だ。いくら気配を消し姿を見られない自信があっても万が一があるので何度か通って下見が必要になるのだ。
改札を潜り無人のトイレで気配を消すとホームに降り立ちざっと見渡す。案の定人影はまばらだ。なんとも潮垂れた様子のオッサンばかり。財布を抜いても数千円しか入ってなさそうだ。やはり今日は車内でのお楽しみは無しのようだ。
さて、どうしよう。
スマホを取り出して時間を見れば8時半を少し回ったところだ。平日のこの時間なら・・・
俺はニンマリ笑うと電話をかけた。
トゥルルル、トゥルルル。呼び出し音が6回してようやく繋がった。
「遅い!」
相手が喋る前に怒鳴り付ける。
「申し訳ございません。ご主人様。」
聞こえて来たのは怯えきった女性の声だった。
「電話には3コール以内に出ろと教えた筈だな?」
「申し訳ございません。」
まったく、壊れたレコードじゃあるまいに。まあいいさ。
「7-11○○店に二十分以内に来い!」
返事も待たずに通話を切る。女、山下麻友子の家から指定した7-11までは車を飛ばしてもギリギリ二十分はかかる。
更に俺に呼び出された時に着用するように命じてある服装に着替えなければならないのだから到底間に合う筈がない。もっとも、仮に間に合ったとしても俺が「5分の遅刻」と言えばそれまでなのだが。
麻友子と出会ったのはもう一年近く前になる。初夏のある朝電車中で痴漢してやったのがはじまりだった。
その日は朝から掏摸で稼ごうと思っていたのに少し寝坊して目が醒めたのが11時前だった。平日の昼前では掏摸にしても痴漢にしても獲物は少ないだろうからさんぽがてら次の空巣狙いの下見でもしようかと思い直して駅に向かった。
俺は空巣先は土地勘のある地元ではなく壁に貼った地図にダーツを投げて選んでいる。テレビのバラエティーでやってたあのシステムだ。なにしろランダムに選出するのだから下手をすれば電車を複数回乗り換えなければならない時もある。当然見知らぬ土地だ。いくら気配を消し姿を見られない自信があっても万が一があるので何度か通って下見が必要になるのだ。
改札を潜り無人のトイレで気配を消すとホームに降り立ちざっと見渡す。案の定人影はまばらだ。なんとも潮垂れた様子のオッサンばかり。財布を抜いても数千円しか入ってなさそうだ。やはり今日は車内でのお楽しみは無しのようだ。