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見えない男の淫乱物語
第8章 高校教師

「待ってろ、今どこだ?家か?
えっ?先生の実験室?
よし。わかった、すぐにそちらに向かうから!」

そう言って通話を切り、
外に飛び出そうとした時のことだった。


『あああ~!ダメ!』と女の悲鳴が聞こえた。

この声は…飯島先生?

どうやら隣の女子トイレから
聞こえてきているようだった。

「栄子先生!どうされましたか?」

男子トイレから飛び出し、
女子トイレの入り口から声をかけた。


場所が場所だけに
飛び込んでいくわけにはいかない。

そんな明人の思いに反するように
トイレの中からは

「ダメ!だめぇ~~!
あああぁ~!死んじゃう~~!」
と絶叫が響き渡った。


これはもう切羽詰まった状況に違いないと

「栄子先生!失礼しますよ!」

そのように断りを入れて
女子トイレに飛び込んだ。


3室あるうちの真ん中の個室の扉が閉まっていて
栄子の叫び声は
その真ん中の個室からだと一目瞭然だった。

明人は個室のドアを開こうとしたが
鍵が掛かっていて開かない。


そうしてる間にも
栄子の声はオクターブが高くなり、
死んでしまうだの、壊れてしまうだのと
絶叫を繰り返した。


「くそっ!」

気がはやる明人はトイレの床に這いつくばって
ドアの下のわずかな隙間から中を伺った。

栄子のものらしきか細い足がつま先立ちになり、
プルプルと痙攣したように震えている。


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