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見えない男の淫乱物語
第9章 明人先輩

それはこれからもセックスをして欲しいと
言っているに等しかったからだ。
「俺でいいのかい?」
聖子は恥ずかしげに頬を染めながら
小さくコクりとうなづいた。
「だって…先輩、
私を抱きながら告白してくれたじゃない…」
明人は無我夢中であったので
自分の発した言葉を覚えていなかった。
どさくさ紛れの告白ではなく、
ちゃんと自分の思いを告げたくて
聖子のそばで正座して
「好きです!こんな俺で良ければ
付き合ってください」と正式にお願いした。
「嬉しい…」
聖子が体を起こして明人に抱きつきキスをした。
ほんのちょっぴりだけペニスがピクリと動いた。
聖子と明人がデキてしまったころ、
村松幸太郎の体に異変が起き始めていた。
微かだが体の透明度が鈍くなってきている。
幸太郎は手を目の前にかざして凝視してみた。
うっすらと手のひらの輪郭が見てとれた。
『いかん…薬効が切れ始めている』
薬を補充しなければ…
幸太郎は急いで大学の研究室へと向かい始めた。
日がすっかり暮れていた。
これは幸太郎にしてみれば幸いだった。
もし、日中の明るい日差しの中だと
よくよく凝視すれば裸の男が
そこにいるのがバレるところだった。

