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早熟桃の発情期
第16章 夏の終わり
「オチンチンを挿れてほしい」
拓斗にクンニをされながら、桃香が切ない声を出す。

拓斗はベッドから立ち上がり、机の引き出しを開ける。

「あ…しまった…」
拓斗が言う。

ベッドから上半身を起こし、桃香が尋ねる。
「どうしたの?」

「コンドーム買うの忘れてた…」
拓斗が消え入りそうな声で言う。

「どうしてよ! 日本に帰ってからでも、買う時間はあったでしょ」
桃香が口を尖らせる。

「僕はクラスの中で忘れ物チャンピオンだから」

「そんなの言い訳にならないよ。 どうして忘れちゃうのよ?」

「僕にも分からない」

忘れ物をする理由が分かっていれば、忘れ物はしない。
うっかりコンドームを買い忘れた拓斗だが、どうしてうっかりしたのかは、自分でも分からない。
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