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夜の蝶の物語
第5章 夜の蝶は羽ばたいて去ってゆく
人間あれほど体が震えるのかというほど
ブルブルと痙攣し始めたんです。
そして「わあーっ」と叫ぶと
泣き崩れてしまいました。
「帰ってください!
貴方たちに血が通ってないんですか?
後日、リリーさんが落ち着いた頃に
来てください!」
リリーさんがお気に入りの稲本さんが
血相を変えて訴えました。
「わかりました。出直しましょう」
そう言って二人の刑事は帰って行きました。
稲本さんはリリーさんの肩を抱いて
「大丈夫、あなたのせいではありません
私がついてます、気を確かにお持ちなさい」
と介抱していました。
「リリーはこの後、仕事にならんだろう。
稲本、リリーを家まで送ってやれ」
所長はそう言って落ち着くまで休んでいいぞと
慰めていました。