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夜の蝶の物語
第6章 エピローグ
「え、えっと…ごめんなさい
覚えていないんです」
恵美(めぐみ)は深々と頭を下げた。
「俺、風貌が変わっちゃったからなあ
じゃあ、こうすれば思い出してくれるかな?」
坂口は帽子を取って
手で髪の毛をくしゃくしゃにした。
「ほら、このボサボサの髪に
無精髭の面を想像してくださいよ」
恵美は数多くのお客さまの顔の記憶を辿った。
そして今度は恵美が「あーっ!」と
大きな声をあげた。
汚いマンションの一室で、
洗ってもいない包茎ちんぽを咥えさせた男…
そういえば坂口という名前で
予約してきたわねと
恵美は明確に思い出した。
「あの時は本当に失礼しました
お詫びに夕食でもご一緒しませんか?
仕事は何時に終わります?お迎えにきますよ」
坂口に一方的にデートを申し込まれ、
恵美は断るタイミングを逃してしまい
デートを受ける事にした。