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女流作家~君を愛すればこそ~
第10章 別居生活

「もう!ダメな男ね」

私が手伝ってあげようか?と
節子がペニスに手を伸ばして来る。

そのタイミングで
枕元に置いた晃のスマホから
着信音が鳴り響いた。

桐子か!?

晃はとっさにスマホを手にして画面を見た。

電話をかけてきたのは桐子ではなく
ディスプレイには『芳枝』と表示されていた。

『お義母さん?』

タップして通話を開始するといきなり

ー 晃さん!あなた今どこにいるの! ー
叱咤の声が響いた。

「どうも…先日はいろいろお世話になりました」

ー お世話もなにも、私が体を張ったのも
桐子とうまくやってくれたらと思ったからよ。
それがなんて事なの!
桐子ではなく、あなた、
別の女に手を出したというじゃない! ー

かなり怒り心頭なのだろう、
電話の声が震えていた。

「いや、その件に関しては釈明したいと
桐子に連絡を入れているんですが
電話に出てくれなくて…」

ー 当たり前よ!電話で済まそうとしないで!
ちゃんと桐子の目を見て謝りなさい!! ー

「ねえ~、誰からの電話なの?
早く続きをしましょうよ~」

大事な話をしているのに
スマホの傍で
節子が甘ったるい声をだしたものだから
義母の芳枝はさらに怒りだした。

ー あなた!夫婦の危機だというのに
あなたは女のところにシケこんでいるの? ー

「いえ、これには訳があって…
決して疚(やま)しい事など」

懸命の言い訳も虚しく
スマホのバッテリーが切れた。
 


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