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女流作家~君を愛すればこそ~
第11章 雅彦と芳枝
そんな純朴な雅彦の筆おろしだったが
セックスを覚えた男は快楽を求めて貪欲になった。
毎晩、毎晩、それこそ淫獣のように
芳枝の体を貫いた。
もちろんコンドームなど使わずに
いつも中だしでした。
なのに芳枝は妊娠しませんでした。
周りからも「お子さんはまだですか?」と聞かれ、
両親からも早く孫の顔がみたいと
矢のような催促をされました。
排卵日ドンピシャで
子宮に大量の精液を浴びたにも関わらず
芳枝は妊娠しなかった。
これはおかしいと二人は専門医を訪ねました。
「奥さんには原因がありません
ただ…旦那さんの方に…
いわゆる無精子症というものです」
無精子と聞いて二人は愕然としました。
「旦那さんの精子が奇形精子なんです。
しかし、全てが奇形ではありません。
98%がアウトですが、2%は正常です
その2%の精子に頑張ってもらう他ありませんね」
正常な精子が少なすぎて取り出すのが困難で
人工受精はかなり厳しいとの事でした。
雅彦は落ち込みましたが
やがて「そうか!誰とセックスをしても
妊娠させる心配がないんだ」と
女遊びが多くなり
家に帰って来ない日も度々でした。
芳枝とて、セックスが嫌いなタイプではないので
夜毎セックスをしてくれた雅彦が
他の女に夢中になって
抱いてくれない日々に悶々とし始めていた。