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女流作家~君を愛すればこそ~
第12章 魔性の女
節子が家に帰ると、
晃も身支度を整えて帰り支度をしていた。
「おかえり、
スマホの充電器を買ってきてくれた?」
女同士の修羅場があったとは知らずに
晃はスマホの充電を気にしていた。
「ああ…忘れちゃったわ
そんなことより、
あの女と別れて私と一緒になりましょうよ」
「はあ?何を言い出すんだい?
俺はもう帰るよ、世話になったな
このお礼は日を改めて…」
その先は言わせないとばかりに
節子は晃に抱きついてキスで口を塞いだ。
「ごめん!こうして離れて
僕には桐子しかいないんだと認識したんだよ」
節子の肩を抱いて力任せに引き離した。
「あの女はもうダメよ
私ならあなたを幸せにしてあげれる。
セックスの相性だってバッチリなんですもの」
「欲情してあなたを抱いたのは謝る」
ここに居ると
節子に精を吸い取られるような気がした。
「強情ね…
じゃあ、せめて最後に
コーヒーぐらい一緒に飲んでよ」
最後にもう一度だけ抱けと言われるよりは
お安いご用だと
晃はテーブルの席についた。
「お口に合うといいんだけれど…
私、濃い目の苦いコーヒーが好きだから」
「眠気ざましにはその方がありがたいです」
節子の淹れてくれたコーヒーは
彼女が言うように
確かにかなり苦かった。